不妊治療をやめて幸せなこと 3パートを始めた

結婚に伴い他県に引っ越すことになり、仕事を辞めて、2年半の間、専業主婦をしながら不妊治療を行っていました。

年齢的に、結婚したらすぐにでも子供をつくりたい。とすると、今は働き始めるタイミングではないというのが自然な流れでした。

その後、妊活がいつまで続くか分からないと実感し、パートをしようを思い始めたころ、新型コロナウィルスが蔓延。感染すると排卵を何か月無駄にしてしまうか分からない恐ろしさから、働くことを諦めました。体外受精までステップアップすると、通院回数も増え、遠方に通っていたこともあり、さらに働き始めることは難しくなっていった。

働かずに不妊治療に専念できるのは恵まれていることなのはわかっている。けれど、働きたかった…。働いて、何かの役に立ちたかった。自分が何かの役に立てていることを実感したかった。流産した体、妊娠しない体、そんな体の私が家で家事をして夫の帰りを待つ。それだけの生活。自分が価値のないものに思えて、自分の価値をどこかに見つけたかったのだと思う。

とはいうものの、不妊治療をやめて働きはじめるとき、すごくすごく不安でした。2年半のブランク。その間、子供をつくることで頭がいっぱいだった自分が、何かの役に立つことができるのか?どこか世間離れしてしまっているのではないか?何も知らない新たな地で仕事をする不安もある。そして何より、不妊治療を続け、最終的に子供を産むことができなかった私。何も成し遂げられなかった自分には、何もできないような気がしてました。

そんな中始めた、ランチ時間のウェイトレスのパート。初日、自分が思っていた以上に頭も体も動いてビックリしました。周りのスタッフにも認められた手ごたえがありました。嬉しかった。ブランクがあっても、これまで働いてきた感覚はしっかり体に染みついているんだということを実感できた。「あぁ、大丈夫だ、私」と思えた。なんだか、自分の体が喜んでいるように感じました。

新たな地で初めてする仕事。スタッフにも恵まれ、必要とされている手ごたえを感じながら働いています。わたしは飲食の仕事が好きみたい。オーダーをとり、料理を運ぶ。ドリンクをつくる。デザートを盛り付ける。食器を洗う。グラスやカップを拭く。どんなに忙しくても冷静にスタッフと連携をとり、スムーズに料理提供できたときの充実感。

この仕事好きだなぁ…って、瞬間がたくさんある。

子供を産み育てるということがすっぽり抜けた空白の未来。手探りの今、この「好き」という感覚に救われています。視野が開けて、自分を幸せにする選択肢はたくさんあるのだと思える。不妊治療で随分と自分の中のパワーがそぎ落とされた。そのパワーが少しずつチャージされていくのを感じています。

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